シリア戦後住宅プロジェクト
シリア紛争は、単なる反政府勢力とバッシャール・アル=アサド政権の間の内戦ではなく、世界各国が政治的立場を取り、軍事支援や武器を提供し、第二次世界大戦以来最大の難民危機に直面する国際的な問題です。国際社会は、シリア紛争の前後に関与してきたように、戦後のシリア再建においても重要な役割を担うべきと考えます。それは単なる慈善や人道的支援を超え、西アジア・中東の安定が、世界の民主主義国家や共和制国家の経済・貿易・インフラ発展、文化的多様性の維持、宗教の自由、そして世界平和に貢献するためです。従来の国際連携が破壊的であることが多いのに対し、私たちは「建設的な連携(CONSTRUCTIVE COALITION)」という方法論を提案し、シリアの住宅再建を実行することを目指します。
CONSTRUCTIVE COALITIONは、トップダウンとボトムアップのアプローチを同時に展開し、強力な地政学的・財政的支援と同時に草の根レベルの協力を求めます。国連・政府・NGO・慈善団体と連携を図りながら、個人レベルの寄付や貢献も大切にします。政策立案・資金援助・材料提供・製造支援など、支援の形はさまざまです。
シリアは戦争の影響による製造・建設の大きな課題を抱えていますが、CONSTRUCTIVE COALITIONは各国が約束した資源・環境に優しい素材・再生可能・再利用可能な資源を集約し、標準化されたパネルや構造部材をプレハブ化してシリアに輸送・組み立てを行います。どの製造国の貢献も当然視されることなく、高品質な素材と施工技術を活用して耐久性のある住宅を建設します。個人の寄付も見過ごされることなく、1セットのパネル提供が1家族の住居を実現します。インターネットの接続性とクラウドファンディングの力を最大限活用し、目標ユニット数の達成・生産時間の短縮・現場工事の最小化を目指します。
住戸設計では、18枚の標準パネルでベッドルーム・リビング/ダイニングルーム・浴室/キッチンユニットなどのモジュールを構築可能。汎用的な形状ながら、中庭型の成長パターンでプライベート/共有空間を確保できます。積層・連結が可能なため、個人住宅から集合住宅、さらに街区・コミュニティ・村へと拡張でき、さまざまな敷地形状・都市ブロック・地形に適応可能です。
各地の気候条件に適した素材を活用し、東部の乾燥した砂漠気候や西部の地中海性気候に対応したユニットを各州に輸送。環境設計・技術革新・資材生産を得意とする国々が支援できる分野には、カナダの構造断熱パネル、中国の高効率ソーラーパネル、米国のスマーメータリングと石膏建材、スイスの持続可能な木材のようなものがあります。かつてアサド政権、ISIS、反政府勢力に引き裂かれたシリアは、CONSTRUCTIVE COALITIONによって国際的な協力と支援の新たなネットワークを築き直し、シリアの人々の未来のために団結することを目指します。